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Intel、FHE 計算を高速化する「Heracles」チップを発表

クラウド上の AI サービスに個人情報を開示せず、遺伝子の病気のリスクを計算したい場合、データ復号化せずに暗号化された状態で計算できる「完全準同型暗号(FHE)」が有力な手段です。しかし、現在の CPU や GPU で FHE を実行すると、通常の計算に比べて数千倍から数万倍もの時間がかかるという課題がありました。この課題を解決するため、インテルは 2024 年 2 月にサンフランシスコで開催された IEEE 国際ソリッドステート回路会議(ISSCC)で、FHE の計算速度を最高性能のサーバー CPU よりも最大 5,000 倍高速化する専用チップ「Heracles」を発表しました。 Heracles は面積約 20 倍、20 ナノメートル以下の最先端プロセス技術、および GPU で見られるような大容量高帯域メモリを備えた大型の設計で、FHE 演算のスケーラビリティにおいて他社よりも優れた性能を達成しました。デモでは、有権者の投票情報を暗号化した状態で登録を確認するシナリオを模擬し、従来の Xeon CPU では 15 ミリ秒かかった処理を Heracles では 14 マイクログ秒で完了させ、1 億人の有権者の確認作業において CPU なら 17 日以上かかるのを、Heracles ではわずか 23 分に短縮する成果を示しました。 FHE のボトルネックは、暗号化によりデータサイズが桁違いに膨張すること、および巨大な数値を高い精度で計算する特殊な演算が一般的なプロセッサでは非効率であることにあります。Heracles は 64 の計算コア(タイルペア)を 8x8 のグリッド状に配置し、大規模な多項式計算を並列処理することで、これらの問題を克服しました。また、データ転送と計算を同時に実行する 3 本の同期ストリームを採用し、高速なデータ転送と効率的な数値計算を両立させています。 インテルの技術リーダーは、Heracles がスケーラブルな FHE ハードウェアの第 1 号であることを強調し、これはマイクロプロセッサの登場のような始まりであると語っています。競合他社であるデュアリティ・テクノロジーやニオビウム・マイクロシステムズなどのスタートアップも、暗号化された AI や大規模モデルへの応用を狙って開発を進めていますが、インテルは現在の技術的優位性を維持しつつ、ソフトウェアの最適化や次世代チップの開発を継続していく方針です。

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