AI時代の次世代データセンター、テック大手が宇宙に本格参戦へ
グーグルのサンダー・ピチャイCEOが、宇宙空間にデータセンターを建設するという野心的な計画を語った。同氏は「Google AI: Release Notes」ポッドキャストで、このアイデアを「月への挑戦(moonshot)」と表現しつつも、「将来的な計算需要を考えれば、決して非現実的ではない」と述べた。その背景にあるのが、11月に発表された長期研究プロジェクト「プロジェクト・サンキャッチャー」。このプロジェクトの目標は、将来的に「宇宙空間で機械学習をスケールすること」だという。 ピチャイ氏は具体的な詳細を明かさなかったが、「2027年には、同社のAI専用チップ「TPU」が宇宙に設置されるかもしれない」と語り、冗談混じりに「たぶん、テスラ・ロードスターに出会えるかもしれない」と付け加えた。これは2018年にイーロン・マスク氏がスペースXのファルコン・ヘビーで打ち上げた、宇宙に浮かぶロードスターと人形ドライバーのインスタレーションを指す。このイベントは、宇宙への技術的関心を象徴する出来事として知られている。 マスク氏自身も、星艦(Starship)による宇宙への物資輸送能力について、年間300ギガワット以上、最適状態では500ギガワットの太陽光発電を搭載したAI衛星を軌道に送り込める可能性を示唆。これは地球の現在のデータセンター全体の合計容量(59ギガワット)をはるかに上回る規模だ。グールマン・サックスは、2050年までに世界の電力需要が倍増する可能性があると予測しており、その主因の一つがAIデータセンターの急増である。 こうした背景から、ピチャイ氏やマスク氏、ジェフ・ベゾス氏らが「データセンターを地球から宇宙へ移す」ことを提唱している。ベゾス氏は、10~20年以内に実現すると予測。OpenAIのサム・アルトマンCEOも、AIの膨張が地球のインフラを圧迫する中で、「地球にデータセンターを建てるのではなく、太陽系全体に巨大なダイソン球を構築する未来もあり得る」と語っている。 その一方で、セールスフォースのマーク・ベンイオフCEOは、X(旧Twitter)上で「宇宙には連続した太陽光があり、バッテリーも冷却も不要。データセンターにとって最もコスト効率の高い場所は宇宙だ」と指摘。AIの膨張が地球の電力網を逼迫する中、宇宙への移行は技術的・経済的な必然性を帯びつつある。
