AIが87年雅可比予想を反例で破る
7月20日、Anthropicの研究者Levent Alpöge氏がX上で、数学界で87年間未解決だった「ヤコビアン猜想」の反例を報告した。この反例は3行の多項式写像からなり、AnthropicのAIモデルClaude Fable 5が探索を主導したとされる。友人からの出題を受け、モデルはワールドカップ決勝中も継続的に計算を繰り返して反例を特定した。数学界では直ちに検証が進められており、Wolfram AlphaやSymPyを用いた独立計算により、ヤコビアン行列式が非ゼロ定数に一致し、複数点が同一出力へ写像されるという核心部分が公的に確認済みだ。 ヤコビアン猜想は1939年に提唱され、多変数多項式写像の局所的な非特異性が大域的な一対一対応を保証するかを問う問題である。張益唐氏ら著名数学者も長年挑戦したが未解決のままだった。Alpöge氏は数論の専門家でありながら現在Anthropicに所属しAI研究に従事している。発見された反例が学界で承認されれば、この猜想は3次元および高次元で否定される。 本ニュースが示す最大の意義は、AIの役割転換にある。従来は人間の証明を検証する補助ツールとして機能していた大規模言語モデルが、未知の探索空間に自律的に進入し、人間が長期にわたり見いだせなかった数学的対象を構築した点に画期的な意義がある。今後は厳密な形式検証と学界の合意形成が求められるが、AIが解答提示から未知構造探査へと研究パラダイムを拡大しつつあることを示す事例として注目される。
