NVIDIA、20億ドルを投資して債務を抱えるCoreWeaveにAIデータセンター拡張を支援
NVIDIAは2025年10月20日、AIデータセンター企業のCoreWeaveに対して20億ドルを投資すると発表した。この投資は、CoreWeaveが2030年までに5ギガワット以上のAI計算能力を拡張する計画を加速するためのもので、NVIDIAが保有するCoreWeaveのA株を株価87.20ドルで取得する形で実施された。両社は「AIファクトリー」と呼ばれる高度なデータセンターの共同建設を進め、NVIDIAの最新技術を基盤とするインフラの構築を強化する。具体的には、NVIDIAのBlackwellアーキテクチャを置き換える新アーキテクチャ「Rubin」、Bluefieldストレージシステム、そして新CPU「Vera」の統合をCoreWeaveのプラットフォームに導入する。また、NVIDIAは土地調達や電力供給の支援も行い、自社のリファレンスアーキテクチャにCoreWeaveのソフトウェアを組み込むことで、クラウドベンダーおよび企業向けにAIインフラを提供する体制を整える。 この提携は、CoreWeaveがAIブームに乗って急成長した背景にある。同社は2017年に暗号資産マイニングから転換し、AIトレーニングと推論のためのデータセンター事業へ進出。2025年3月の上場後、Weights & Biases(AI開発プラットフォーム)、OpenPipe(強化学習スタートアップ)、Marimo(オープンソースJupyter競合)、Monolith(AI企業)など多数の企業を買収し、技術スタックを強化。現在はOpenAI、Meta、Microsoftといったハイパースケーラーを顧客に持つ。しかし、同社は2025年9月時点で188億ドルの債務を抱えており、GPUを担保に債務を調達するビジネスモデルが注目されている。CEOのマイケル・イントレイター氏は、AI需要の急増に伴う供給の急激な変化に対応するためには「企業同士の連携が不可欠」と主張し、循環的取引の懸念に応じている。 NVIDIAにとっても、この投資はAIインフラの拡大を支える戦略的措置。同社は過去1年間で数多くの企業に投資しており、AIブームを牽引するインフラ基盤の構築を加速している。イントレイター氏は「AIはソフトウェア、インフラ、運用が一体で設計されるとき成功する」と強調。Jensen Huang CEOも「AIの次世代への移行は、人類史上最大のインフラ構築に匹敵する」と述べ、両社の協力がAI産業革命の基盤となると評価した。この発表を受け、CoreWeaveの株価は前場で15%以上上昇。AIインフラの競争が激化する中、NVIDIAとCoreWeaveの戦略的連携は、今後のAI開発の足場を形成する重要な一歩と位置づけられる。
