要約
文書レイアウト理解(Document Layout Understanding, DLU)というタスクに対して、エンドツーエンドのTransformerベースのフレームワークであるTRDLUを提案する。DLUは、文書構造を自動的に理解するための基盤的なタスクであり、多様な形式を有する文書からコンテンツボックスを正確に検出し、意味的に意味のあるクラスに分類することは、依然として開かれた課題である。近年、Transformerベースの検出ニューラルネットワークは、従来の畳み込みベースの手法に比べて、物体検出領域において優れた性能を示している。本論文では、DLUを検出タスクとして捉え、TransformerベースのビジョンバックボーンとTransformerエンコーダデコーダを検出パイプラインとして統合したTRDLUを導入する。TRDLUは視覚特徴に基づくフレームワークに留まるが、マルチモーダル特徴に基づくモデルを上回る性能を発揮している。筆者らの知る限り、本研究はDLUタスクにおいて完全にTransformerベースのフレームワークを採用した初めての試みである。TRDLUは、それぞれに強力なベースラインを備えた3つの異なるDLUベンチマークデータセット上で評価された。その結果、すべてのデータセットにおいて、現在の最先端手法を上回る性能を達成した。