18日前
セッションベースのレコメンデーションのためのスターグラフニューラルネットワーク
{Maarten de Rijke, Honghui Chen, Wanyu Chen, Fei Cai, Zhiqiang Pan}

要約
セッションベースの推薦は困難なタスクである。ユーザーの過去のユーザー・アイテム相互作用にアクセスできない場合、現在進行中のセッションに利用可能な情報は非常に限られている。従来のセッションベースの推薦手法は、ユーザーが順次対象としたアイテムのシーケンスに注目してきた。しかし、このようなアイテムの順序列は、単なる閲覧順を超えた複雑なアイテム間遷移関係を完全に捉えるには不十分である。そのため、アイテム間の遷移関係を捉えるためにグラフニューラルネットワーク(GNN)に基づくモデルが提案されてきた。しかしながら、GNNは通常、隣接するアイテムからのみ情報伝搬を行うため、直接的な接続を持たないアイテムからの情報を無視してしまう。さらに重要なことに、GNNベースのアプローチは深刻な過学習問題に直面することが多い。本研究では、セッションベースの推薦のための「高速道路ネットワークを用いたスター型グラフニューラルネットワーク(SGNN-HN)」を提案する。提案手法は、進行中のセッションにおけるアイテム間の複雑な遷移関係をモデル化するため、スター型グラフニューラルネットワーク(SGNN)を採用している。過学習を回避するために、高速道路ネットワーク(HN)を用いてアイテム表現から適応的に埋め込み(embedding)を選択する。最後に、SGNNによって進行中のセッション内で生成されたアイテム埋め込みを統合し、ユーザーの最終的なアイテム予測に対する好みを表現する。2つの公開ベンチマークデータセットを用いた実験の結果、SGNN-HNはP@20およびMRR@20において、従来の最先端モデルを上回る性能を示した。