要約
空間時系列ネットワークデータの予測は、交通管理や都市計画をはじめとする多数の応用分野において極めて重要である。しかし、その背後にある複雑な空間時系列相関関係および異質性により、この問題は困難を伴う。従来の手法は、空間的相関と時系列的相関を別々の構成要素で捉えようとする一方で、空間時系列データに内在する異質性を無視している。本論文では、空間時系列ネットワークデータ予測のための新たなモデルである「空間時系列同期グラフ畳み込みネットワーク(STSGCN)」を提案する。本モデルは、精巧に設計された空間時系列同期モデリング機構により、複雑な局所的空間時系列相関を効果的に捉えることが可能である。同時に、異なる時間期間に対応する複数のモジュールをモデル内に設け、局所的空間時系列グラフにおける異質性を効果的に表現できる。4つの実世界データセットを用いた広範な実験により、本手法が最先端の性能を達成し、他のベースライン手法と比較して一貫して優れた結果を示すことが確認された。