
要約
センチメント対センチメント変換とは、与えられたテキストのセンチメントを変更しつつも、その背後にある情報を保持するタスクである。本研究では、ペア化されていない単センチメントデータを用いて、センチメント対センチメント変換を行うモデルSentiIncを提案する。従来のセンチメント対センチメント変換モデルは、既にテキスト中に存在する貴重なセンチメント固有の情報を無視している。本研究では、コンテンツ情報を保持しつつ、ターゲット文にセンチメント固有の情報をエンコードするためのシンプルなフレームワークを提示することで、この課題に取り組む。このアプローチは、バックトランスレーションに基づくスタイル変換にセンチメントに基づく損失関数を組み込むことで実現される。Yelpデータセットを用いた広範な実験の結果、SentiIncは最先端手法に対してGスコアで最大で約11%の優位性を示した。また、実験結果から、本モデルがセンチメントの正確性と情報の保持性を両立した文を生成できていることが示された。