
要約
自動的かつ高精度な作物種類マップは、地上調査が頻繁に行われない発展途上国を含む食料システムの理解に、かつてないほどの情報を提供できる。しかし、現有の手法がこうしたデータが乏しい環境に適用された例はほとんどなく、さらに不規則な形状の畑、頻発する雲カバー、小規模な圃場、そして訓練データの著しい不足といった独自の課題が存在する。この研究分野における空白を埋めるために、本研究ではガーナおよび南スーダンにおける小規模農場を対象とした、世界初の作物種類セマンティックセグメンテーションデータセットを提供する。また、小規模農場のセグメンテーションに高解像度・高頻度の衛星データを初めて活用した。これらの課題にもかかわらず、ガーナでは平均F1スコア60.9%、全体精度60.9%、南スーダンではF1スコア69.7%、全体精度85.3%を達成した。さらに、ドイツにおけるデータ豊富な環境下でも、最先端手法を8ポイント以上上回るF1スコアと6ポイント以上の精度を達成した。コードおよびデータセットへのリンクは、公開されている。https://github.com/roserustowicz/crop-type-mapping