
要約
本稿では、複雑なポーズや遮蔽状況下における3次元(3D)人体メッシュ推定の問題に取り組む。2次元(2D)ポーズを用いた3D人体メッシュ推定において、人間同士の遮蔽に関する改良は多数なされているが、複雑なポーズや他の物体による遮蔽は依然として一貫した課題である。そこで、ベースラインモデルと比較してパラメータ数を増加させることなく、複雑なポーズおよび遮蔽に対して高いロバスト性を示す新しい手法「スキン付き多人物線形モデル(SMPL)エッジ特徴蒸留(Skinned Multi-Person Linear (SMPL) Edge Feature Distillation, SEFD)」を提案する。本手法は、対象人物の境界と遮蔽情報を含む、真値に類似したSMPL重複エッジを生成し、シンプルなエッジマップ上で後続の特徴蒸留を実行する。さらに、さまざまなベンチマーク上で実験を行い、定性的および定量的に高い忠実性を示す。広範な実験により、ドメインギャップが存在する3DPWデータセットにおいて、従来の最先端手法と比較してMPJPEで2.8%、MPVPEで1.9%の性能向上を達成した。また、遮蔽、複雑なポーズ、ドメインギャップが共存する3DPW-OCC、3DPW-PC、RH-Dataset、OCHuman、CrowdPose、LSPデータセットにおいても、優れた性能を発揮した。コードおよび遮蔽・複雑ポーズアノテーションは、https://anonymous.4open.science/r/SEFD-B7F8/ にて公開される予定である。