
要約
本稿では、効率的かつロバストな点群登録(Point Cloud Registration, PCR)を実現するための、2次元空間的整合性(Second Order Spatial Compatibility, SC²)を用いた手法、すなわちSC²-PCRを提案する。まず、対応関係間の類似度を計算するための2次元空間的整合性(SC²)尺度を提案する。この尺度は、局所的な一貫性ではなく、グローバルな整合性を考慮することで、初期段階からインライア(inlier)とアウトライア(outlier)の区別がより明確なクラスタリングを可能にする。このSC²尺度に基づき、登録パイプラインは初期の対応関係から信頼性の高い種(seed)を、グローバルなスペクトル的手法を用いて抽出する。その後、SC²尺度行列を活用した2段階戦略により、各種を一貫性集合(consensus set)へと拡張する。最後に、各一貫性集合を重み付きSVD(Singular Value Decomposition)アルゴリズムに投入し、候補となる剛体変換を生成し、最も適切なモデルを選定することで最終的な結果を得る。本手法は、少ないサンプリング回数で、完全にアウトライアを含まない一貫性集合を確実に得られるため、モデル推定の効率性とロバスト性が向上する。さらに、提案するSC²尺度は汎用性が高く、ディープラーニングベースのフレームワークへ容易に統合可能である。広範な実験により、本手法の性能を詳細に検証した。