1日前
広帯域計算および通信を実現する統合型マイクロ波ニューラルネットワーク
Bala Govind, Maxwell G. Anderson, Fan O. Wu, Peter L. McMahon, Alyssa Apsel

要約
マルチギガビット通信やレーダー画像処理を含む高帯域アプリケーションの発展に伴い、高速な処理能力が求められている。しかし、クロック周波数を上回るマイクロ波領域では、サンプリングおよび演算が困難となる。本研究では、広帯域の計算および通信を実現する統合型マイクロ波ニューラルネットワークを報告する。本マイクロ波ニューラルネットワークは数十ギガヘルツの周波数帯域で動作するが、低速なメガビット/秒レベルの制御ビットストリームによって再プログラミング可能である。結合されたマイクロ波発振の強非線形性を活用することで、計算処理を狭帯域に表現でき、読み出しを容易にしている。このシステムは、ギガビット/秒レベルのデータからビット列を探索し、専用回路を用いずにデジタル関数を模倣する。レーダーからの飛行軌道追跡を可能にするために、符号化方式の分類や周波数シフトの検出といった、無線周波数機械学習を高速化する。本マイクロ波ニューラルネットワークは、標準的な補償型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスにより実装されており、チップ上では波長未満の面積(0.088 mm²)を占め、消費電力は200mW未満である。これにより、汎用アナログプロセッサへの統合が可能となる。