
要約
本研究では、関係性の順序ヒストグラムに基づくネットワーク埋め込み(NERO: Network Embedding based on Relation Order histograms)と呼ばれる新しいグラフ埋め込み手法を提案する。この手法の性能は、既存の代表的な分類問題と、詳細な層状脈絡構造を扱う新しく導入されたベンチマークを用いて評価された。提案手法は、他のカーネル型手法を上回る結果を達成するとともに、多くの最先端GNN(グラフニューラルネットワーク)と同等の性能を発揮する一方で、GPUのサポートを必要とせず、比較的大規模な入力データに対しても処理が可能である。さらに、生成された表現が既存のモデル解釈技術と容易に統合可能であることを示し、解析対象プロセスにおける各エッジおよび頂点の寄与度を包括的に把握する手がかりを提供できることを明らかにした。