
要約
本稿では、文脈的感情検出(contextual emotion detection)というタスクに対する新たなアプローチを提案する。本手法は、注意機構(attention mechanism)を備えた再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を特徴抽出器として用い、その後に分類器(ニューラルネットまたはSVMベース)を配置する構成である。評価はSemEval 2019のタスク3(EmoContext)のデータセットを用いて実施した。このデータセットは、3ターンの短い会話文を含み、4つの感情クラスにラベル付けされている。最も優れた性能を達成した設定は、ELMoによる単語埋め込みと品詞タグ(POS tags)を入力とし、双方向GRU(bidirectional GRU)を隠れ層として、最終分類器にSVMを採用したものであった。この構成により、主要な3つの感情クラスにおいてマイクロ平均F1スコアが69.93%に達し、ベースラインシステムと比較して11.25%の向上を実現した。