要約
異種ネットワークにおける表現学習の問題を研究する。この問題の特徴的な課題は、複数種類のノードおよびリンクが存在することに起因し、これにより従来のネットワーク埋め込み手法の適用が制限される。本研究では、スケーラブルな表現学習モデルとして、metapath2vecおよびmetapath2vec++の2つのモデルを提案する。metapath2vecモデルは、メタパスに基づくランダムウォークを形式化し、ノードの異種近傍を構築した上で、異種スケップグラムモデルを用いてノード埋め込みを実現する。一方、metapath2vec++モデルは、異種ネットワークにおける構造的相関と意味的相関を同時にモデル化することを可能にする。広範な実験により、metapath2vecおよびmetapath2vec++が、ノード分類、クラスタリング、類似性検索など、さまざまな異種ネットワークマイニングタスクにおいて、最先端の埋め込みモデルを上回る性能を発揮するだけでなく、異なるネットワークオブジェクト間の構造的および意味的相関を明確に捉える能力を有することが示された。