要約
マルチラベルテキスト分類(MLTC)では、1つのサンプルが複数のラベルに属する可能性がある。多くのMLTCタスクにおいて、ラベル間に依存関係や相関関係が存在することが観察されるが、従来の手法はこれらのラベル間の関係性を無視しがちである。本論文では、ラベル間の注目すべき依存構造を捉えるために、グラフアテンションネットワーク(GAT)を活用したモデルを提案する。このモデルは、特徴行列と相関行列を用いて、ラベル間の重要な依存関係を捉え、タスク用の分類器を生成する。生成された分類器は、BiLSTMを用いたテキスト特徴抽出ネットワークから得られる文の特徴ベクトルに適用され、エンドツーエンドの学習を可能にする。アテンション機構により、各ラベルごとに隣接ノードに異なる重みを割り当てることができ、ラベル間の依存関係を暗黙的に学習することが可能となる。提案モデルの有効性は、5つの実世界MLTCデータセットを用いて検証された。その結果、従来の最先端モデルと比較して、同等または優れた性能を達成した。