11日前
会話における感情認識のための感情極性強度を意識したマルチタスク学習を備えた知識対話ネットワーク
{Zhenzhou Ji, Bingquan Liu, Chengjie Sun, Kailai Yang, Yunhe Xie}

要約
会話における感情認識(Emotion Recognition in Conversation, ERC)は、近年自然言語処理(NLP)分野で注目を集めている。一部のモデルは、常識知識やマルチタスク学習を活用して複雑な感情推論を支援することに注力している。しかし、これらのモデルは直接的な発話と知識の相互作用を無視しており、感情に間接的な補助タスクを用いるため、ERCタスクに十分な感情情報を提供できていない。このような課題を解決するため、本研究では感情極性強度を意識したマルチタスク学習と知識インタラクションを組み合わせたKI-Net(Knowledge-Interactive Network)を提案する。本モデルは、常識知識と感情語彙を活用して意味情報を拡張する。具体的には、発話内での知識との相互作用を実現するための自己一致モジュールを導入する。また、ERCタスクとの相関性を考慮し、語句レベルでの感情極性強度予測(Sentiment Polarity Intensity Prediction, SPIP)を補助タスクとして設計した。実験の結果、すべての知識統合、自己一致、およびSPIPモジュールが、3つのデータセットにおいてそれぞれモデル性能の向上を示した。さらに、IEMOCAPデータセットにおいて、最先端モデル比で1.04%の性能向上を達成した。