
要約
皮膚疾患の重症度を正確に評価することは、患者に対する精密治療において極めて重要な役割を果たす。特に思春期に最も一般的な皮膚疾患である尋常性痤瘡(アクネ)については、臨床現場では根拠に基づく病変数のカウントと、臨床経験に基づく全体的評価の両方を用いて重症度を分類している。しかし、重症度が近い場合に病変の外見が類似しているため、正確な病変数のカウントと重症度の分類は困難である。本論文では、痤瘡重症度間の曖昧な情報に着目し、ラベル分布学習(Label Distribution Learning, LDL)を用いた痤瘡画像解析の問題に取り組む。専門的な重症度評価基準に基づき、病変数の類似性と痤瘡重症度の関係をそれぞれ考慮して、2種類の痤瘡ラベル分布を生成した。さらに、画像の重症度評価と病変数カウントを統合的に処理するための統一フレームワークを提案し、マルチタスク学習損失によって最適化した。また、評価を目的として、各画像について痤瘡重症度と病変数のラベルを付与したACNE04データセットを構築した。実験の結果、提案フレームワークは最先端手法と比較しても優れた性能を示した。本研究で開発したコードおよびデータセットは、https://github.com/xpwu95/ldl にて公開している。