
要約
監視映像における異常イベントの検出は依然として課題であり、多数の研究の対象となっている。最新の手法の性能がまだ満足のいくものではないことに着目し、本稿ではこの問題に対して新たな解決策を提示するものであり、以下の4つの貢献を果たしている。1)Sultaniらの研究を基盤として、弱教師あり(weakly supervised)および自己教師あり(self-supervised)の2つの専門家が協働する反復学習フレームワークを提案する。このフレームワークは、各反復において相互に追加の学習データを提供する構造を採用しており、反復的データ拡張タスクをサポートするベイズ枠組みにより、各反復で得られる新規インスタンスをフィルタリングする。2)ベースライン損失関数に新たな項を追加し、スコアを単位区間([0,1])内に均等に分散させる効果をもたらす。これは反復学習フレームワークの性能にとって極めて重要である。3)上位の性能を示す複数の手法をスコアレベルで統合するランダムフォレストアンサンブルを提案し、既存の最先端手法と比較してEER(Equal Error Rate)を約20%低減する。4)フレームレベルで完全にアノテーションされた「UBI-Fights」データセットの公開を発表する。本データセットは研究コミュニティが自由に利用可能である。コード、実験プロトコルの詳細、およびデータセットは、http://github.com/DegardinBruno/ にて公開されている。