17日前
植物病害分類の精度向上に向けた適応的最小アンサンブル手法
{Massimo Martinelli, Piero Toscano, Emilio Ferrari, Silvia Morelli, Leandro Rocchi, Riccardo Dainelli, Davide Moroni, Antonio Bruno}

要約
植物病害分類は、困難かつ時間のかかるプロセスであるため、本研究ではその性能向上を目的とした新規手法を提案する。まず、近年の先進的なアーキテクチャ群であり、精度と複雑さのトレードオフにおいて優れた性能を示すEfficientNetをベースラインとして用い、転移学習、正則化、ストラティフィケーション、重み付き評価指標、および高度な最適化手法を統合・設計・適用することで、性能の向上を図った。さらに、本手法の知識ベースに独自の「適応的最小アンサンブル(adaptive minimal ensembling)」を導入した。このアプローチは、出力の従来型集約ではなく、トレーニング可能な層によって特徴ベクトル上でアンサンブルを行うことで、わずか2つのEfficientNet-b0弱学習モデルのみを用いながら、複雑さを制限しつつ精度を向上可能にするという点で画期的である。筆者らの知る限り、本手法のようなアンサンブル戦略は、これまでの文献では一度も用いられていない。本手法は、農作物病害診断モデルの性能評価を目的として広く用いられる公開データセットであるPlantVillageを対象として検証された。元データおよび拡張データの両方において、それぞれ100%の精度を達成し、従来の最先端技術を顕著に上回った。実験にはPyTorchを用いてモデルの学習・検証・評価を実施し、ハイパーパラメータを含む詳細な実験設定を公開することで、再現性を確保した。また、提案手法のテストが可能なWebインターフェースも公開しており、実用性とアクセス性を兼ね備えている。