
要約
空間的検証(spatial verification)は、特定のオブジェクト検索において重要な技術である。この手法は、真の正例画像を正確に検出するために空間情報を活用する。しかし、従来のクエリ拡張および拡散手法は、スカラー値の辺重みを持つ通常のグラフ上で空間情報を効率的に伝播できないため、再現率(recall)や正確率(precision)が低くなる問題がある。この課題に対処するために、本研究ではクエリ実行時における空間情報の効率的な伝播を実現する新しいハイパーグラフベースのフレームワークを提案する。さらに、画像グラフの構造情報をコミュニティ選択技術を用いて活用することで、初期検索結果の精度を評価し、重い空間的検証計算を伴わずにハイパーグラフ伝播の適切な出発点を提供する手法も提案する。ROxfordおよびRParisデータセットにおける実験結果から、本手法が従来のクエリ拡張および拡散手法を顕著に上回ることが示された。