17日前

遺伝的アルゴリズム最適化による長短期記憶ネットワークを用いた株式市場予測

{Kyung-shik Shin, Hyejung Chung}
要約

近年の計算技術の進展に伴い、膨大な量のデータや情報が継続的に蓄積されている。特に金融分野においては、取引記録を含むリアルタイムで生成される大量のデータが得られるため、その情報を分析することで有用な知見を創出する機会が大きく広がっている。本研究では、利用可能な金融データを活用して、新たな株価予測モデルの構築を目的とする。その際、大規模データセットからの優れた学習能力を備えることから、深層学習(deep learning)手法を採用している。本研究では、長期短期記憶ネットワーク(LSTM)と遺伝的アルゴリズム(GA)を統合するハイブリッドアプローチを提案する。従来、LSTMネットワークの時間窓サイズや構造的パラメータの設定には、ヒューリスティックに基づく試行錯誤が一般的であった。本研究では、GAを用いた体系的な手法を提示し、株価データの時系列的性質を分析することで、LSTMネットワークの時間窓サイズおよびネットワークトポロジーの最適化を実現する。提案手法の有効性を検証するため、日次韓国株価指数(KOSPI)データを用いて実験を行った。実験結果から、LSTMネットワークとGAを統合したハイブリッドモデルが、ベンチマークモデルを上回る性能を示したことが明らかになった。