
要約
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中の医療システムに深刻な打撃を与え、経済の後退を引き起こし、多数の命を奪ってきました。世界的に潜在的なワクチンの開発と供給が進んでいますが、ウイルスの新たな変異株が出現する中で、すべての人々にワクチンを届けるには長期間を要すると予想されており、世界の一部地域では再び封鎖に類する状況が継続しています。このような背景から、感染の拡大を防ぐためにも、早期かつ正確なCOVID-19の検出が極めて緊急の課題となっています。現在のゴールドスタンダードとされるRT-PCR検査は感度が71%にとどまり、実施に多くの労力がかかるため、大規模な人口スクリーニングには不向きです。本研究では、肺のCTスキャン画像を用いてCOVID-19と非COVIDケースを分類する自動化されたCOVID-19検出システムを提案します。本手法は、Gompertz関数を用いてベース分類モデルのファジィランクを生成し、ベースモデルの決定スコアを適応的に統合するアンサンブル戦略を採用しています。決定スコアの融合には、転移学習に基づく3つの畳み込みニューラルネットワークモデル(VGG-11、Wide ResNet-50-2、Inception v3)を用いています。提案手法は、公開されている2つの胸部CTスキャンデータセットを用いて評価され、最先端の性能を達成しており、モデルの信頼性を裏付けています。本研究に関連するソースコードはGitHubにて公開されています。