要約
画像品質評価(Image Quality Assessment: IQA)は、計算モデルを用いて主観的評価と一貫性のある画像品質を測定することを目的としている。代表的な構造的類似性指標(SSIM)により、IQAはピクセルベースから構造ベースへと進化した。本論文では、人間視覚系(HVS)が画像を低次特徴に基づいて主に理解しているという事実に着目し、完全参照型IQAのための新しい特徴類似性(Feature Similarity: FSIM)指標を提案する。具体的には、局所構造の重要性を無次元的に測定する「位相整合性(Phase Congruency: PC)」をFSIMの主特徴として用いる。PCはコントラスト不変である一方で、コントラスト情報はHVSによる画像品質の知覚に影響を及ぼすため、補助特徴として画像の勾配大きさ(Gradient Magnitude: GM)を導入する。PCとGMは、画像の局所品質を補完的に特徴付ける役割を果たす。局所品質マップを取得した後、再びPCを重み関数として用いて単一の品質スコアを算出する。6つのベンチマークIQAデータベースを用いた広範な実験により、FSIMが最先端のIQA指標と比較して、主観評価との一致度が大幅に高いことが示された。