要約
3次元点群における点単位の意味的分類を実現する効果的かつ効率的な手法を提案する。本手法は、静止型地上LiDARや写真測量による再構成から得られる非構造的かつ不均一な点群を扱うことができ、計算効率が高く、数百万点以上の点群を数分程度で処理することが可能である。点密度の顕著な変動に対処しつつ計算時間を低減するための鍵となるのは、近傍関係の適切な取り扱いである。適切な(多スケールの)点の近傍定義を選定することで、表現力に富みかつ高速に計算可能な特徴量セットを構築できる。提案手法の分類性能は、モバイルマッピングプラットフォームから得られたベンチマークデータおよび点密度が著しく異なる多数の大型地上レーザースキャンデータを用いて評価した結果、点単位の分類精度において従来の最先端手法を上回りつつ、計算速度も大幅に高速化されていることが明らかになった。