変化検出(Change Detection, CD)は、地球観測分野における中心的な課題の一つであり、近年において多くの研究関心を集めている。近年の衛星センサーの急速な発展に伴い、超高解像度(Very High Resolution, VHR)マルチスペクトル画像の利用が可能となり、CDのためのデータソースが大幅に豊富化された。このような画像は豊富な変化の手がかりを提供するが、実際に変化した領域を正確に特定することは依然として困難である。本稿では、VHR画像向けにエンド・トゥ・エンド型のスーパーピクセル強化変化検出ネットワーク(End-to-end Superpixel-enhanced Change Detection Network, ESCNet)を提案する。本手法は、微分可能なスーパーピクセルセグメンテーションと深層畳み込みニューラルネットワーク(Deep Convolutional Neural Network, DCNN)を統合したものである。二つの重み共有型スーパーピクセルサンプリングネットワーク(Superpixel Sampling Networks, SSNs)を、時系列画像ペアの特徴抽出およびスーパーピクセルセグメンテーションに特化して設計した。その後、UNetベースのシメイズ型ニューラルネットワークを用いて、両画像間の差異情報を効果的に抽出する。得られたスーパーピクセルは、ピクセルレベルの特徴マップにおける潜在的なノイズを低減しつつ、エッジ情報を保持する役割を果たす。これに際して、新たなスーパーピクセル化モジュールを導入し、この目的を達成している。さらに、スーパーピクセル数に依存する問題を補完するために、簡潔な構造かつ完全に微分可能な新しいアダプティブスーパーピクセルマージング(Adaptive Superpixel Merging, ASM)モジュールを提案する。また、フレームワークの末端には、マルチレベルのデコード特徴を活用するピクセルレベルの精緻化モジュールを追加している。公開データセット2つにおける実験により、従来の手法および最先端の深層学習ベースの変化検出(Deep Learning-based Change Detection, DLCD)手法と比較して、ESCNetの優位性が確認された。