11日前
シーケンスおよび最短依存パス上の階層的RNNを用いた薬物-薬物相互作用抽出
{Wei Zheng, Jian Wang, Yijia Zhang, Zhihao Yang, Michel Dumontier, Hongfei Lin}
要約
動機薬物同士の相互作用(Drug-Drug Interaction, DDI)に起因する有害事象は、深刻な健康問題を引き起こす。生体医薬文献に記載されたDDIを自動的に抽出する能力は、継続的な薬物警戒(pharmacovigilance)の取り組みをさらに強化するものである。これまでのニューラルネットワークベースの手法は、主に文のシーケンスに注目してDDIを同定するが、二つの実体間の最短依存パス(Shortest Dependency Path, SDP)には、構文的・意味的価値の高い情報が含まれている。この情報を効果的に活用することで、DDI抽出の性能向上が期待される。結果本研究では、SDPと文シーケンスを統合する階層型再帰型ニューラルネットワーク(Hierarchical Recurrent Neural Networks, RNNs)に基づくDDI抽出手法を提案する。まず、文シーケンスを三つの部分シーケンスに分割する。次に、下位のRNNモデルを用いて部分シーケンスおよびSDPの特徴表現を学習し、上位のRNNモデルを用いて文シーケンスおよびSDP全体の特徴表現を学習する。さらに、DDI抽出タスクにおけるキーワードを識別・強調するため、埋め込み注意機構(embedding attention mechanism)を導入した。本手法はDDI抽出2013コーパスを用いて評価された結果、他の最先端手法と比較して同等または優れた性能を示した。実験結果から、文シーケンスとSDPは互いに補完的であることが明らかになった。文シーケンスとSDPを統合することで、DDI抽出の性能を効果的に向上させることができた。