要約
多数のハードウェア上の課題により、医療画像取得装置は低品質(例えば、コントラストが低く、明るさが不適切、ノイズが多いなど)な画像を生成しやすい。残念ながら、視覚的に劣化した画像は診断プロセスに直接悪影響を及ぼし、医療従事者の意思決定を著しく複雑なものにしてしまう。本研究では、医療画像解析タスクの高速化を目的として、エンドツーエンド学習戦略を組み込んだ低品質画像の強化手法を提案する。本研究は、現時点で医療画像分野において、コントラスト補正、輝度補正、ノイズ除去など、視覚的品質向上を包括的に取り組む初めての試みであり、完全畳み込み型の深層学習ネットワークを用いている。提案手法は、残差ブロックと残差ゲート機構を活用して視覚的なアーティファクトを低減し、多項式目的関数により、人間の知覚に自然な強化画像を生成するように導く。本手法の実用性は、高度な実験を通じて広範に検証された。実験結果から、提案手法は、異なる医療画像モダリティにおいて、ピーク信号対ノイズ比(PSNR)で既存手法を5.00~7.00 dB、DeltaE指標で4.00~6.00点上回ることが明らかになった。さらに、本手法は医療画像解析タスクの性能を著しく向上させ、実世界応用におけるこの強化手法の潜在的可能性を示している。