要約
有限なラベル付きサンプル(ピクセル)からの学習は、ハイパースペクトル画像(HSI)分類において依然として重要な課題である。本研究では、同一シーンおよびクロスシーンの両方のHSI分類タスクに対応可能な、深層メトリック学習に基づく特徴埋め込みモデルを提案する。第一のタスクでは、ラベル付きサンプルが非常に少ない状況において、深層埋め込み特徴に基づくメトリック学習のアイデアを活用し、サンプル間のペアワイズ類似性学習を実施する。この場合、提案モデルは、二つのサンプルが同一クラスに属するかどうかを適切に比較する能力を学習する。第二のタスクでは、分類対象となるHSI画像(ターゲットシーン)が全くラベルを持たない状況において、十分なラベル付きサンプルを有する類似したHSI画像(ソースシーン)から学習し、非教師付きドメイン適応(unsupervised domain adaptation)技術を用いてターゲットモデルへと転移を行う。この手法は、ソースとターゲットのサンプルから得られる埋め込み特徴が識別不能になるようにする敵対的アプローチを採用するとともに、ターゲットシーンの埋め込みがソースシーンのものと類似したクラスタ構造を形成することを促進する。二つのシーン間のドメイン適応が完了した後は、従来のHSI分類器を任意に利用可能となる。本稿では簡潔さを重視し、すべての分類タスクにおいて最近傍(NN)アルゴリズムを分類器として採用している。多数の代表的なHSIデータセットを用いた実験結果から、提案モデルが同一シーンおよびクロスシーン分類の両タスクにおいて優れた性能を発揮することが示された。