
要約
本論文は、少数ショット物体検出(FSOD)および少数ショットインスタンスセグメンテーション(FSIS)に焦点を当てる。これらは、少数のラベル付きインスタンスを用いて新しいクラスに迅速に適応するモデルを要求する。既存の手法は、少数ショット環境に自然に存在するラベル欠落問題に起因する分類バイアスに深刻な影響を受けており、本研究ではこの問題を初めて形式的に提起する。我々の分析から、多数のFSODおよびFSISモデルで用いられる標準的な分類ヘッドは、バイアス分類を軽減するために分離(デカップリング)されるべきであることが示唆された。そこで、標準的な分類器を二つのヘッドに分離する、非常にシンプルながら効果的な手法を提案する。この二つの個別ヘッドは、ラベル欠落によって生じる明確な正例とノイズを含む負例をそれぞれ独立して処理できる。このアプローチにより、モデルは新しいクラスを効果的に学習しつつ、ノイズを含む負例の影響を低減することが可能となる。追加の計算コストやパラメータを一切追加せずに、PASCAL VOCおよびMS-COCOベンチマークにおいて、FSODおよびFSISタスクにおいてベースラインおよび最先端手法を大幅に上回る性能を一貫して達成している。コードは以下のURLで公開されている:https://github.com/gaobb/DCFS。