
要約
我々は、視覚的オブジェクト追跡を目的とした自己回帰フレームワーク「ARTrack」を提案する。ARTrackは、オブジェクトの軌道を段階的に推定する座標系列の解釈問題として追跡を定式化する。このアプローチでは、現在の推定値が過去の状態から導かれ、同時にその後の系列に影響を与える。時間的な自己回帰性を活用することで、フレーム間を貫いてオブジェクトを追跡する軌道の順次的変化をモデル化する。これにより、各フレームにおける局所化精度のみを考慮する従来のテンプレートマッチングベースのトラッカーに比べて優れた性能を発揮する。ARTrackは構造が単純かつ直感的であり、特化した局所化ヘッドや後処理を不要とする。その単純さにもかかわらず、現在の代表的なベンチマークデータセットにおいて、最先端の性能を達成している。