7日前

属性を意識した非線形なグラフ特徴の共埋め込み

{Ahmed Rashed; Josif Grabocka; Lars Schmidt-Thieme}
要約

非常にスパースなレコメンデーションデータセットにおいて、ユーザーの属性(年齢、性別、居住地など)やアイテムの属性(映画の場合はジャンル、公開年、監督など)を活用することで、特に評価数が少ないユーザーやアイテムに対して推薦精度が向上する。多くのレコメンデーションモデルはユーザーおよびアイテムの属性を考慮できるように拡張可能であるが、その際モデルのアーキテクチャはしばしば複雑化する。アイテムの属性はしばしば容易に入手可能である一方で、プライバシー上の理由や業務プロセス上関連性がないため、ユーザーの属性はしばしば不足している。本論文では、属性を意識したレコメンデーションシステムにおけるこれらの課題に取り組むために、従来の行列因子分解(matrix factorization)と類似した方法でユーザーとアイテムを統合された潜在空間に共通埋め込み(co-embedding)するシンプルなモデルを提案する。このモデル(GraphRec)は、非線形な潜在特徴の構築を可能とし、ユーザー属性、アイテム属性、または両方をシームレスに取り込むことができる。また、属性の不足という第二の課題に対処するため、ユーザー-アイテム関係を二部グラフ(bipartite graph)として捉え、ユーザー-アイテムの共起グラフのラプラシアンを用いて、外部の補助情報(side information)を必要とせずに汎用的なユーザーおよびアイテム属性を構築する。3つのレコメンデーションデータセットにおける実験結果から、GraphRecは任意の補助情報を利用せずに、既存の最先端の属性意識型およびコンテンツ意識型レコメンデーションシステムを顕著に上回ることを示した。