
要約
近年、畳み込みニューラルネットワーク(FCN)を基盤とする深層学習に基づく顕著オブジェクト検出手法は、著しい性能を達成している。しかし、その多くは境界処理の課題に直面している。最先端の手法では特徴量の集約技術を採用しており、顕著オブジェクトの位置を正確に特定できるが、特に細長い帯状の領域を含むオブジェクトについて、細かい境界を含む完全なセグメンテーションを実現するには至らない場合が多い。したがって、FCNに基づくモデルの性能向上の余地は依然として大きく残されている。本研究では、オブジェクトの構造をより効果的に捉えるため、注意メカニズムを導入したフィードバックモジュール(Attentive Feedback Modules: AFMs)を設計した。さらに、精密な境界を学習するため、境界強化損失関数(Boundary-Enhanced Loss: BEL)を導入した。提案する深層学習モデルは、オブジェクト境界の推定において良好な結果を示し、5つの広く用いられている顕著オブジェクト検出ベンチマークにおいて最先端の性能を達成した。ネットワークは完全畳み込み型であり、26 FPSの高速処理が可能で、後処理を必要としない。