要約
水質汚染は現代社会における深刻な脅威の一つである。毎年800万トン以上のプラスチックが海洋に投棄されており、世界中のビーチは観光客や地域住民によってごみでごみだらけとなっている。水生生態系が危機に瀕していることは明らかであり、まもなく海洋生物、特に魚類とプラスチック・廃棄物の比率が1対1に達する可能性がある。本論文では、TACOデータセットを基盤として構築された新たなデータセット「AquaTrash」を提案する。さらに、本研究では最先端の深層学習に基づく物体検出モデル「AquaVision」をAquaTrashデータセットに適用した。提案モデルは、海洋および沿岸部を漂うさまざまな汚染物質および有害廃棄物を検出・分類することができ、平均精度(mAP)は0.8148を達成した。本手法により、廃棄物の位置を正確に特定することができ、水体の清掃に貢献するとともに、水生生態系の維持・保護という環境保護への貢献が期待される。