
要約
ユーザモデリングはオンライン推薦システムにおいて不可欠なタスクである。過去数十年にわたり、協調フィルタリング(CF)手法は、ユーザの長期的嗜好をモデル化するため、広く研究されてきた。近年では、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)がユーザの短期的嗜好をモデル化する上で顕著な優位性を示している。推薦性能を向上させる自然なアプローチとして、長期的嗜好と短期的嗜好の両方を統合することが挙げられる。しかし、従来の手法は、これら2つのユーザモデリングアプローチを動的に統合する重要性を軽視している。さらに、ユーザ行動は言語モデリングにおける文や視覚計算における画像よりもはるかに複雑であるため、従来のRNN構造(例:長短期記憶ネットワーク(LSTM))は、より優れたユーザモデリングを実現するために改良が必要である。本研究では、時刻に敏感なコントローラとコンテンツに敏感なコントローラを提案することで、従来のRNN構造を改善し、文脈情報を適切に考慮して状態遷移を制御できるようにした。さらに、ユーザの長期的嗜好と短期的嗜好を統合するためのアテンションベースのフレームワークを提案し、特定の文脈に応じてユーザ表現を適応的に生成できるようにした。本研究では、公開データセットおよび産業界データセットの両方で広範な実験を実施した。実験結果から、提案手法が複数の最先端手法を一貫して上回ることが明らかになった。