要約
地理定位技術は、屋外飛行における無人航空機(UAV)のナビゲーションにおいて、経度および緯度を取得する重要な手法として広く活用されている。GPS信号の干渉や遮蔽が発生する可能性があることから、干渉を受けにくい特徴を持つ画像検索に基づく手法は、近年、広く注目を集めている。異なる視点から取得されたGPSタグ付きのドローン画像と事前に取得された衛星画像を照合することで、UAVおよび衛星の地理定位を実現できる。本論文では、画像変換技術を用いて、UAVと衛星間の多視点地理定位情報を抽出する手法を提案する。また、UAVと衛星の地理定位において、単段階学習法を初めて提案した。この手法は、多視点特徴抽出と画像検索を同時に実現し、従来の多段階学習手法よりも高い精度を達成している。さらに、正例および負例に対する制約が不足することによるモデルパラメータが局所最適解に陥る問題を回避するため、新規の区分的ソフトマージントリプルット損失関数を設計した。実験結果から、提案する損失関数が画像検索精度を向上させ、より良好な収束特性を示すことが明らかになった。さらに、衛星画像のサンプル数の偏りを解消するためのデータ拡張手法も提案した。ベンチマークデータセットUniversity-1652において、提案手法は最先端の性能を達成し、リコール率(R@1)で6.67%、平均精度(AP)で6.13%の向上を実現した。本研究のすべてのコードは公開され、再現性の促進を図る。