要約
ショット境界検出に関する多くの研究が行われているが、急激な照明変化や物体/カメラの運動効果を伴う動画に対しては、従来のショット境界検出手法の性能は十分に解決されていない。本稿では、急激な遷移を検出するための新たな二段階アプローチを提案する。この手法は、特定の照明変化および運動効果に対して耐性を有している。第一段階として、フレームの明度成分に適応型ウィーナーフィルタを適用し、周波数領域およびLBP-HF(Local Binary Pattern - High Frequency)特徴量を抽出することで、照明変化の影響を低減しつつ重要な情報を保持する。実験の結果、第一段階において運動効果の低減も確認された。第二段階では、Cannyエッジ差分を用いて第一段階で処理されなかった照明および運動効果をさらに除去する。本手法の有効性を検証するため、TRECVid 2001およびTRECVid 2007データセットを用いた実験を行った。実験結果から、提案手法が最先端のショット境界検出手法を上回る性能を発揮することが明らかになった。