要約
ポイントクラウドの意味分割性能を著しく向上させるために、本稿では大規模ネットワークの構築に向けた新規手法と、効果的な軽量化技術を提案する。まず、PointNet++やPoint Transformerといった基本ネットワークを相互に接続するため、潜在的なポイント特徴処理(Latent Point Feature Processing: LPFP)モジュールを導入する。この中間モジュールは、特徴情報の伝達機能に加えて、教師信号(ground truth supervision)の役割も果たす。さらに、大規模ネットワークの構築に伴う計算コストの増大を軽減し、端末デプロイメントへの対応をより適切に行うため、大規模ネットワークの多次元特徴情報を転移することでネットワークを圧縮する新規なポイントクラウド軽量化手法(Point Cloud Lightweighting Network: PCLN)を提案する。具体的には、大規模ネットワークの異なる段階において、ポイント特徴の構造情報およびアテンション情報の一部を選択的に転移し、圧縮されたネットワークが大規模ネットワークの学習方向に沿って訓練されるように導く。また、本稿では大規模ポイントクラウドにおけるグローバル構造情報の表現問題に対し、特徴のサンプリングと集約によって解決を図っている。公開データセットおよび実世界データを用いた広範な実験により、提案手法が異なる基本ネットワークにおいて性能を顕著に向上させ、最先端の手法を上回ることを実証した。