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Nabla Bio

要約
本稿では、新規抗体設計システム「JAM-2」を報告する。JAM-2は、薬物様の親和性および開発可能性(developability)を有するVHH-Fcおよび全長モノクローナル抗体(mAb)を、初めて実現した汎用的なデノボ抗体設計システムであり、これまでにないターゲットおよびエピトープの広範なカバレッジを達成しつつ、二桁の成功確率を実現した。16の未知のターゲットに対して評価した結果、すべてのターゲットに対して結合性分子を生成し、平均成功率はVHH-Fcで39%、mAbで18%を達成した。各フォーマットあたり45設計という少量の設計で、半数のターゲットに対してピコモル級または1桁ナノモル級の結合親和性を有する候補を獲得した。さらに、10のターゲットについて、各々20のユーザー指定エピトープを対象に検証した結果、半数のターゲットにおいて30~70%のエピトープに対してVHH-Fc結合体を生成した。特に注目すべきは、JAM-2がG蛋白共役受容体(GPCR)であるCXCR4およびCXCR7を、それらの天然細胞環境下で直接標的とし、それぞれ11.7%および3.8%の成功確率で抗体結合体を生成した点であり、最良の設計では1桁ナノモル級の親和性を達成した。数百のデノボ設計候補について実施した開発可能性プロファイリング(developability profiling)—計算機設計バイオ医薬品に関する最大規模の開発可能性データセット—の結果、半数以上が業界の主要基準を満たしており、特にトップ設計候補の多くは、さらなる最適化を必要としないリード品質のプロファイルを示した。これらの成果により、JAM-2は現在の最先端のデノボ抗体設計システムとして位置づけられ、従来の創薬アプローチと同等またはそれを上回る性能を発揮し、創薬プロセスの最前線での実用化が可能な初めてのシステムであることが示された。