
要約
パーキンソン病(PD)における客観的歩行評価は、大規模で多様性に富み、臨床的にアノテーションされた運動データセットが不足していることにより制限されている。本研究では、PD用の3Dメッシュ歩行データの最大規模の公開アーカイブであるCARE-PDを紹介する。CARE-PDは、8か所の臨床施設から構成される9つのコホートにまたがる、初めてのマルチサイト統合データセットである。すべての記録(RGB動画またはモーションキャプチャ)は、統一された前処理パイプラインを用いて匿名化されたSMPLメッシュに変換されている。CARE-PDは、2つの主要なベンチマークをサポートしている:(1)教師あり臨床スコア予測(統一パーキンソン病評価尺度UPDRSの歩行スコア推定)と(2)教師なし運動事前タスク(2Dキーポイントの3D再構成および全身3D再構成)。臨床スコア予測は、4つの一般化プロトコル(データセット内、データセット間、1データセットを除いた交差検証、複数データセットを用いたドメイン適応)で評価されている。臨床的意義の検証のため、最先端の運動エンコーダーと従来の歩行特徴ベースラインを比較した結果、エンコーダーが一貫して手作業で設計された特徴量を上回ることが明らかになった。CARE-PDを用いた事前学習により、MPJPE(平均プロキシマルジョイント位置誤差)は60.8mmから7.5mmまで低下し、PD重症度のマクロF1スコアは17ポイント向上した。これにより、臨床的に注釈された多様なデータを用いた訓練の価値が示された。