
要約
航空画像における物体は通常、複雑な背景に埋め込まれており、任意の方向を示すことが特徴である。任意の向きを持つ物体を表現するため、方向付きバウンディングボックス(OBB)を用いる場合、角度の周期性により境界付近でラベル回帰値に不連続性が生じ、損失関数に急激な変動が引き起こされる可能性がある。この問題に対処するため、複素平面に基づくOBB表現を導入し、三角関数に基づく損失関数を提案する。さらに、航空画像における複雑な背景環境や大規模物体間の顕著な差異という事前知識を活用して、角度情報を予測するコンフォーマRPNヘッドを構築した。提案する損失関数とコンフォーマRPNヘッドは協調的に高品質な方向付き提案を生成する。また、提案のラベル割り当てにIoUに依存するのみでは不十分な点を補うために、予測されたカテゴリ情報をフィードバックとして用いたカテゴリ意識型動的ラベル割り当て手法を提案した。この手法により、ネガティブサンプルの選択がより代表的となり、分類と回帰の特徴間の整合性が確保される。本研究では、4つの現実的な方向付き物体検出データセット上で実験を実施した結果、最小限のパラメータチューニングと計算コストで優れた性能を達成した。特に、DOTA-v1.0、DOTA-v1.5、DIOR-R、HRSC2016データセットにおいて、それぞれ82.02%、71.99%、69.87%、98.77%の平均精度(mAP)を達成した。