11日前

非線形運動向け効率的なオブジェクトトラッカーの設計

Momir Adžemović, Predrag Tadić, Andrija Petrović, Mladen Nikolić
非線形運動向け効率的なオブジェクトトラッカーの設計
要約

複数対象追跡(multi-object tracking)の目的は、動画フレーム間で検出された対象のバウンディングボックスを関連付けることにより、シーン内のすべての対象を検出・追跡しつつ、それぞれに一意の識別子を維持することである。この関連付けは、検出された対象の運動パターンと外見パターンの一致に基づいている。特に、動的なかつ非線形的な運動パターンを伴うシナリオでは、このタスクは極めて困難である。本論文では、このようなシナリオに特化して設計された、新たな精密に構築された複数対象追跡手法であるDeepMoveSORTを提案する。従来の外見ベースの関連付け手法に加え、深層学習可能なフィルタ(一般的に用いられるカルマンフィルタの代替として)を用いることで、運動ベースの関連付けを強化するとともに、新たに提案した豊富なヒューリスティクスを導入している。本研究における運動ベース関連付けの改善は、以下の点で顕著である。第一に、対象の運動履歴を用いて運動予測とノイズ除去の両方を行う、Transformerベースのフィルタ構造であるTransFilterを提案する。さらに、運動履歴の適切な取り扱いとカメラの運動を考慮することで、このフィルタの性能を向上させた。第二に、検出されたバウンディングボックスの位置、形状、信頼度といった情報を活用するヒューリスティクス群を提案し、関連付け性能の向上を実現した。実験評価の結果、非線形運動を特徴とするシナリオにおいて、DeepMoveSORTは既存の追跡手法を上回り、3つのこのようなデータセットにおいて最先端の性能を達成した。また、提案した追跡器の各モジュールの寄与を詳細に検証するための徹底的なアブレーションスタディを実施した。その結果、カルマンフィルタの代わりに学習可能なフィルタを用いること、かつ外見ベースの関連付けと併用することこそが、優れた汎用追跡性能を達成する鍵であると結論づけた。

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