
要約
イベントベースのビジョンは、高時間解像度や高動的範囲などの独自の特性により、近年注目を集めています。この技術は最近、ビデオ超解像度(VSR)においてフロー推定と時間的なアライメントの向上に利用されています。本論文では、モーション学習ではなく、テクスチャ強化のためにイベント信号を利用する初めてのVSR手法を提案します。当手法はEvTextureと呼ばれ、イベントの高周波数詳細を利用してVSRにおけるテクスチャ領域の回復を改善します。EvTextureでは、新しいテクスチャ強化ブランチが導入されます。さらに、反復的なテクスチャ強化モジュールを提案し、高時間解像度のイベント情報を段階的に活用してテクスチャ修復を行うことが可能となります。これにより、複数回の反復を通じてテクスチャ領域が徐々に洗練され、より正確で豊かな高解像度詳細が得られます。実験結果は、当手法が4つのデータセットで最先端の性能を達成していることを示しています。特にテクスチャが豊富なVid4データセットにおいて、当手法は最近のイベントベース手法と比較して最大4.67dBの改善を達成しました。コード: https://github.com/DachunKai/EvTexture.