3ヶ月前

SOFTS:シリーズコア統合を用いた効率的な多変量時系列予測

Lu Han, Xu-Yang Chen, Han-Jia Ye, De-Chuan Zhan
SOFTS:シリーズコア統合を用いた効率的な多変量時系列予測
要約

多変量時系列予測は、金融、交通管理、エネルギー、医療など多岐にわたる分野において重要な役割を果たしている。近年の研究では、分布ドリフト(distribution drift)に対して強い耐性を示すためのチャネル独立性の利点が強調されているが、チャネル間相関を無視する傾向にあり、さらなる性能向上が制限されている。いくつかの手法では、アテンションやミキサー(mixer)といったメカニズムを用いてチャネル相関を捉えようとしているが、それらは過度な計算複雑性を引き起こすか、あるいは相関に依存しすぎることで、特にチャネル数が多い場合に分布ドリフト下での良好な性能を達成しづらいという課題がある。こうしたギャップを埋めるために、本稿では、効率的なMLPベースのモデルである「Series-cOre Fused Time Series forecaster(SOFTS)」を提案する。このモデルは、新規のSTar Aggregate-Redistribute(STAR)モジュールを組み込んでいる。従来のアテンションなど分散型構造によるチャネル間相互作用の管理とは異なり、STARは中心化戦略を採用することで、効率性を向上させ、各チャネルの品質に依存する度合いを低減する。具体的には、すべての時系列を統合してグローバルコア表現を生成し、その情報を個々の時系列表現に再配分・融合することで、効果的なチャネル間相互作用を実現する。SOFTSは、線形時間計算量(linear complexity)で既存の最先端手法を上回る性能を達成している。また、STARモジュールが異なる予測モデルに普遍的に適用可能であることも、実証的に示されている。今後の研究開発のため、本研究のコードはGitHubにて公開されており、https://github.com/Secilia-Cxy/SOFTS から入手可能である。