16日前
RTracker:PN木構造記憶を用いた回復可能トラッキング
Yuqing Huang, Xin Li, Zikun Zhou, Yaowei Wang, Zhenyu He, Ming-Hsuan Yang

要約
従来の追跡手法は、追跡性能の向上を目指して、より優れたターゲット表現の学習や、より堅牢な予測モデルの開発に主眼を置いてきた。これにより追跡性能は著しく向上したが、追跡失敗や完全遮蔽、視界外状態などの要因により、ターゲットの喪失(target loss)が頻発する問題が依然として存在する。一方で、実用応用において極めて重要な追跡手法の自己回復機能については、それほど注目されていない。このような状況を踏まえ、本研究では、木構造メモリを用いて追跡器と検出器を動的に連携させ、自己回復機能を実現する再回復可能追跡フレームワーク「RTracker」を提案する。具体的には、正例および負例のターゲットサンプルを時系列的に記録・維持できる「正例-負例木構造メモリ(Positive-Negative Tree-structured memory, PN tree)」を設計した。このPN木メモリを基盤として、ターゲットの状態を判断するためのウォークルールを定義し、さまざまな追跡状況に応じて追跡器と検出器を統合する制御フローを構築した。本研究の核心的なアイデアは、正例および負例のターゲットカテゴリに対するサポートサンプルを用いて、相対的な距離に基づく評価基準を構築し、ターゲット喪失の信頼性ある検出を可能にすることにある。多数の困難なベンチマークにおいて最先端手法と比較して優れた性能を示した結果から、提案手法の有効性が実証された。