17日前

異種情報源における忠実な時系列質問応答

Zhen Jia, Philipp Christmann, Gerhard Weikum
異種情報源における忠実な時系列質問応答
要約

時系列質問応答(Temporal Question Answering: QA)は、時間的制約を含む問題を扱うものであり、例えば「…2019年に…」や「…コロナ禍以前に…」といった表現が含まれる。前者では時間的条件が明示的に提示されているのに対し、後者ではそれが暗黙のうちに示されている。現在の最先端手法には、以下の3つの側面で限界がある。第一に、ニューラル推論に基づくアプローチでは時間的制約が柔軟に扱われており、正当でない、あるいは説明のつかない回答が生じる余地がある。第二に、時間的条件が暗黙的な質問に対する対応が不十分である。第三に、回答の出典が単一のソースに限定されており、知識ベース(KB)またはテキストコーパスのいずれかに依存している。本研究では、これらの課題を克服する時系列QAシステムを提案する。第一に、明確な証拠に基づき、時間的制約を厳密に遵守して忠実な回答を生成する。第二に、暗黙的な時間的条件を適切に処理できる。第三に、異種の情報源(知識ベース、テキスト、Webテーブル)を統一的に扱える。本手法は以下の3段階から構成される:(i)質問およびその時間的条件の理解、(ii)すべての情報源からの証拠の取得、(iii)忠実な回答の生成。暗黙的質問は従来のベンチマークにおいて稀であるため、多様な質問を体系的に生成するための手法を導入した。実験の結果、複数のベースライン手法に対して優れた性能を示した。