RRWNet:効果的な網膜動脈/静脈分節化および分類のための再帰的精緻化ネットワーク

網膜血管の口径および構造は、さまざまな疾患や医学的状態における重要なバイオマーカーとして機能する。網膜血管網の包括的な解析には、血管のセグメンテーションおよび動脈と静脈への分類が必要であり、通常は網膜撮影(retinography)により得られるカラー眼底画像上で行われる。しかし、これらの作業を手動で行うことは作業負荷が高く、人的誤差のリスクも高い。いくつかの自動化手法が提案されているものの、現在の最先端技術は、セグメンテーションマップの位相的一貫性(topological consistency)に悪影響を及ぼす顕著な分類誤りに直面している。本研究では、この課題を克服するため、新たなエンドツーエンド型深層学習フレームワーク「RRWNet」を提案する。本フレームワークは、完全畳み込みニューラルネットワーク(fully convolutional neural network)を用い、セグメンテーションマップを再帰的に精緻化することで、顕著な分類誤りを修正し、結果として位相的一貫性を向上させる。特に、RRWNetは2つの専用サブネットワークから構成される:入力画像からベースセグメンテーションマップを生成する「Baseサブネットワーク」と、これらのマップを反復的・再帰的に改善する「Recursive Refinementサブネットワーク」である。3つの異なる公開データセットを用いた評価により、提案手法が最先端の性能を達成することが示された。既存手法と比較して、より位相的一貫性が高く、顕著な分類誤りが少ないセグメンテーションマップを生成した。さらに、RRWNet内のRecursive Refinementモジュールは、他の手法によるセグメンテーションマップの後処理にも有効であることが確認され、その汎用性と潜在的価値が示された。モデルコード、重み、および予測結果は、https://github.com/j-morano/rrwnet にて公開される予定である。