3ヶ月前

KERMIT:逆変換を用いた関係モデリングの強化による知識グラフ補完

Haotian Li, Bin Yu, Yuliang Wei, Kai Wang, Richard Yi Da Xu, Bailing Wang
KERMIT:逆変換を用いた関係モデリングの強化による知識グラフ補完
要約

知識グラフ補完(Knowledge Graph Completion: KGC)は、利用可能な情報を活用して知識グラフ内の欠落した三項組(triples)を埋める問題に焦点を当てている。テキストベースの手法は、三項組のテキスト的記述に依存するが、これらの記述が正確な予測に必要な十分な情報を提供しない場合、その限界に直面する。これはデータセット固有の問題であり、モデル設計のみでは容易に解決できない。この課題に対処し、データの一貫性を確保するために、本研究ではまず大規模言語モデル(Large Language Models: LLMs)を用いて一貫性のある記述を生成し、クエリと回答の間の意味的ギャップを埋めることで、情報の質を向上させる。次に、逆関係(inverse relations)を活用して対称的なグラフ構造を構築することで、KGCのための拡張された訓練サンプルを提供する。さらに、知識グラフ(KG)に内在するラベル情報を活用し、既存の対照学習フレームワークを完全教師あり(fully supervised)な形に強化する。これらの取り組みにより、WN18RRおよびFB15k-237データセットにおいて顕著な性能向上が達成された。標準的な評価指標に基づく結果では、WN18RRにおいてHit@1が4.2%向上し、FB15k-237ではHit@3が3.4%向上し、従来手法に比べて優れた性能を示した。