
Tsetlin Machines(TM)は、算術ベースから論理ベースへの機械学習の根本的な転換をもたらす。畳み込み演算をサポートしており、MNIST、Fashion-MNIST、CIFAR-2などの画像分類データセットに対して効果的に対応している。しかし、より複雑なタスクを表すCIFAR-10およびCIFAR-100においては、最新の性能を達成することがTMの課題となっている。本論文では、専門化されたTM同士の即時接続型協働機構である「TMコンポジット(TM Composites)」を提案する。この協働機構は、TMが学習中に専門性を獲得し、推論時に自身の能力を評価できるという特性に依拠している。協働する際には、最も自信を持つTMが判断を担い、不確実性が高いTMはその負担を軽減される。このようにして、TMコンポジットは個々のメンバーを上回る能力を発揮し、各メンバーの専門性を活かすことができる。また、この協働は「プラグアンドプレイ」型であり、メンバー同士を任意の方法で、任意のタイミングで組み合わせ可能であり、微調整(fine-tuning)を必要としない。実証評価では、3種類のTM専門化手法を実装した:グレードエントロピーのヒストグラム(Histogram of Gradients)、適応型ガウスしきい値化(Adaptive Gaussian Thresholding)、カラーテルモメーター(Color Thermometers)。その結果、Fashion-MNISTでは2ポイント、CIFAR-10では12ポイント、CIFAR-100では9ポイントの精度向上が達成され、TMにおける新たな最良成績が記録された。総合的に、本研究は、より多くのタスクやデータセットにおいて、最新の深層学習に代わる超低消費電力かつ透明性の高い代替手段として、TMコンポジットの実現可能性を示唆している。