
要約
対照学習(contrastive learning)は、メトリック学習における主要な研究テーマの一つである。しかし、バッチサイズの制限、データ分布の不均衡、過学習のリスクといった要因により、効果的な対照ペアの抽出は依然として困難な課題である。本論文では、クラスごとの中心値バンクを維持し、クエリデータポイントとクラス中心値の間で対照損失を用いて比較する新たなメトリック学習関数である「センター対照損失(Center Contrastive Loss)」を提案する。この中心値バンクはリアルタイムで更新され、特にサンプルマイニングの設計に依存せずにモデルの収束を促進する。また、クラス中心値は各クラスの監視信号の再平衡を実現する優れた分類代理変数として最適化される。さらに、本損失関数は対照学習と分類学習の利点を統合しており、クラス内変動を低減し、クラス間差を強化することで、埋め込み表現の識別力を向上させる。実験結果(図1参照)によると、標準的なネットワーク(ResNet50)を本損失関数で学習させることで、最先端の性能と高速な収束が達成された。